森と私たち

おめぐり山のキッチン建設開始 ヒノキの伐りだし

山のキッチンの建設が始まりました。 で、まずは山から桧を伐り出すところから。。。(基礎(土台)となる石は6月に設置済み) さて、おめぐり山のヒノキ林は30年以上の間、間伐等の手入れが入っていないので、 ヒノキは細身ですが、きれーいにまっすぐ育っています。 30年以上の間、じわりじわりと育ったヒノキは年輪がギュッとしまって、ものすごく硬くて丈夫!! 去年の夏に皮剥ぎをしていたから、すっかり水分も抜けて、最高の建材となりました◎ 木の先端部分や枝まで、全て大切に使わせていただきます。感謝。。。                 そして、伐り開いたこの土地には広葉樹を植えます。 (どんぐりプロジェクト2020も始動しておりますよー!)       We have started another project which is a construction of a kitchen at the foot of the mountain. Cutting Hinoki trees is the first step. ...

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森のこと その3 ドイツの視点、日本の盲点

山(森)のこと その3   ードイツの視点、日本の盲点 ドイツ人といえば、大のハイキングやトレッキング好き。おめぐり庵に宿泊するお客さんも、ドイツ出身といえば森を愛する人ばかりです。 そんなドイツの森ですが、驚くことに、原生林はほとんどありません。 というのも19世紀、ドイツも日本と同じように、国の森のほとんどを広葉樹林から針葉樹林にかえてしまった過去があるらしいのです。 しかしドイツは、これじゃ長続きせん、とアクションをおこしました!1970年代頃から、持続可能な森にするため、より自然に近い環境づくり、広葉樹の植樹を始めたのです。 ドイツ各地の立地条件や風土に合った森づくりには、森林コンサルタントが貢献しています。(実はWWOOFerグレッグはこの森林コンサルタントでした。) 彼らは、土壌や多様な植物や虫や動物がすべてつながりあっているという視点を持って森をみています。自然の反応をじっくり観察しながら手を加えていきます。 こうして、木の成長や生態系の順応に合わせて、もとの自然林に近い森づくりをしているドイツの森には現在、針葉樹もあれば広葉樹もあります。 豊かな森は人々の憩いの場になっています。 それに比べて、日本の多くの杉檜山は放置状態。暗い杉檜林には他の植物は育ちません。単一の植生では、野生動物は生きられません。 日本各地に広がる放置されっ放しの杉檜山は、もとの生き生きした状態に返していくべきだと私たちは思ってます。   グレッグと私たちが驚いたことがあります。 それは、伐採後の植樹に、ドイツは広葉樹だけに補助金を出すのに対し、西予市では杉ヒノキだけにしか補助が出ないという事実です。。。ガーン、なぜまた杉ヒノキ⁉︎ どうか視点を変えて欲しい。視野を広げて欲しい。そしてアクションをおこして欲しい。 山をみるとき、水、土、陽の光、その中で生きるありとあらゆる生命のつながりをみているかどうか。山を大切にすることが、自分や家族や地域を大切にしているということにつながる。それがみえるかどうか。 山だけじゃなく、海も川も畑も田んぼも。 大きなつながりに視点が注がれる時、私たちはもっと豊かになれる。  ...

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森のこと その2 杉檜山と人の暮らし

山(森)のこと その2 ー杉檜山と人の暮らし(宇和のお話) 「昔はなぁ、親から息子への世代交代で家を新築にしたり建て増したりする頃、檜を山から伐りだして使いよったんよ。伐採したらまた次の代のために植えとく。そしたら60年後、次また家を建てる時には檜が大きくなって使える。家の建て替えを木の生育に合わせて、上手くことしなさった。」 これは私たちが住む宇和町の、70代の方のお話です。なるほど、だから山の家は梁や柱が太くて立派なんだなぁ。山間部では木を育て利用するということが人の営みの一部にあったのだなぁ。漁村出身の私はすっかり感心しました。 それにしても、もとの自然林を伐採し、杉檜を植林し、下草を管理して、あそこまで育てるというのは大変な労力と時間です。 「昔は木は高価やったんよ。戦後は政府からの補助もあったけん、雑木林や自然林もほとんど杉檜林にしてしもた。昔の人はエライけんのう、よう働いた。」 木を重宝した時代、木がお金をうむ時代。 戦後の拡大造林政策は日本各地の山を自然林から人工林に変えました。 「そやけど今じゃもう、輸入材ばっかりになってしもた。国産檜も価格もだいぶ下がったし、伐採したら人件費の方が高くつくくらいよ。山の手入れにもお金がかかるし、間伐もしとらんけん、山も荒れてきとらい。」 時代は変わって、今では逆に木の家が珍しいものとなりました。かつての木と人の営みは昔話になり、杉檜山はむしろお荷物になっています。 私たちが住む稲生地区の山にも、たくさんの杉檜の放置山があります。山の管理が赤字になるという理由の他にも、山の管理をしていたおじいさんが高齢で動けない、もしくは亡くなって、家族がどうして良いか分からず放置しているケースもあるようです。 さらに、近年になって、畑仕事が困難になってきたお年寄りが、元々畑だったところに檜を植林しています。ある程度育てば、針葉樹林には他の植物が生えにくいから草刈りをしなくて良くなるという目算。こうして、いわゆる里山という部分が消え、人里に針葉樹林が迫っているという状況です。 私たちはこれらの放置された杉檜山をどう未来に託していけるのだろう。 つづく ...

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森のこと その1 海岸沿いの山と杉檜山

山(森)のこと その1 ー海岸沿いの山と杉檜山(マサミ体験談) 私は愛媛の宇和海に面した小さな漁村、明浜町田之浜で育ちまして、 小さな頃は蜜柑山とその周りの藪のような雑木林、ウバメガシ林の中でゴソゴソと遊びました。 小学生の頃には蜜柑山の段々畑の1番上の段から下の段まで忍者ハットリくんの歌を歌いながら飛び降りて下ったり、自生のビワをとって食べたり、 暖竹(ダンチク)の群生の中で基地を作ったりしたものです。 私の父はもう40年以上も猟犬と猪猟をしていて、その犬の散歩について行ってよく山歩きをしました。 食べられる山の木の実を教えてもらったり、ハメ(マムシ)を捕まえたり(ハメ焼酎にするため)、猪の足跡やヌタ場をチェックしたりしました。    ←海岸沿いの山 そして今は、標高200mほどの里山、宇和町に住んでいます。 盆地という地形を持つこの町にはあちこちに田んぼが広がり、杉檜山が周りをぐるっと囲んでいます。 海岸沿いの山の自然に親しんでいた私にとって、初めてこの杉檜山に入った時は、「なんてキレイな(スッキリと整った)山なんだろう!」とびっくりしました。 藪はなく、トゲを持つバラやハゼの木の心配は要らず、樹々はまっすぐ伸びて1列に並んでいます。 足元は杉檜の葉っぱの絨毯になっていて、よそ見をしながらでも安心して歩ける山! 林道もあちこちに整備されていて、ちょうど良い散歩コースになりました。 さて、里山に引っ越してきて初めての春が来ました。 「山菜を採りに行こう!」ワラビやタラの芽を林道の犬の散歩コースで探しますが見当たりません。 その時はじめて、静かで美しい杉檜山には他の植物の氣配が無いことに氣づきました。 陽の光が足りないのです。 それから私の視点は山々全体を見るようになりました。 春、モコモコの新緑の中に山桜のピンクが混ざってそれはそれは賑やかな山。 それとは対照的に冬から変わらず同じ表情の緑の山(杉檜山)。 「なんだか不自然で、何かが足りない。」 そう直感した私は、杉檜林と人の暮らしについて調べ始めたのでした。 つづく   ←杉檜山 ...

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ヒノキの皮剥き立ち枯らし(ヒノキ林の開拓) 

山の麓のヒノキの放置林、植えてから一度も間伐されず、ヒョロヒョロに育ったヒノキたち。 その林のヒノキに市場価値は無いらしい。 ところがどっこいこれがちょうど扱いやすい太さで年輪がギュッと詰まってとっても丈夫!!  私たちは、丸太のまま建築材として利用する予定です。 さて、ヒノキの伐採方法として、まず樹木の皮をむいて、立ったまま枯れさせ、伐採するという手法を使います。 「巻き枯らし(立ち枯らし)」というらしいです。 私たちが目をつけた巻き枯らし(立ち枯らし)の利点はコチラ↓ ・子供や女性でもできる。 ・伐採時、軽くなって運びやすくなる。 ・立ったまま乾燥していくので木材倉庫がいらない。 ・材木としてそのまま必要な分だけ利用できる。 そう、危険で至難な樹木の伐採の手伝いが誰でも出来るのです! さて、この皮剥き、実際にやってみました。 まずはヒノキの生命を絶ってしまうお詫びと大切に使わせていただきますという感謝のお祈りから。 夏の間、ヒノキの幹の皮の内側は、根から吸い上げている水でみずみずしく潤っています。 根元に切り目を入れ、引っ張り上げるだけで驚くほど簡単にスルスルと皮が剥げました! あまりにも呆気なく剥げた皮の内側は、ツルツルでしっとりと湿っていて、 そこにヒノキの生命の営みがまざまざと見えて、心がきゅっとしめつけられました。   ありがとうございます。大切に使わせていただきます。。 何度も謝るように呟きながら作業をすすめました。 このヒノキ林は皆伐をし、この作業の後にはどんぐりの木の苗を植樹する予定です。 今回の作業には、現在宇和島市で「皮むき間伐」という手法で森のお手入れをしている、 「NPO ナナの森」さんの助言もいただきました。 皮むき間伐について、健康な森づくりについてもっと知りたい方はNPO ナナの森のイベントにも参加してみてください。 https://m.facebook.com/nponananomori/ We have been peeling hinoki tree's barks. Then, we will cut and use them when they get dried up in winter. This way of logging is called Makigarashi. Women and kids also can do this work easily. ...

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おめぐり山では、ヒノキ林の開拓が始まりました

おめぐり山では、ヒノキ林の開拓が始まりました。 もともとは石積みの段々畑だったこの場所は、もう畑として管理ができない。という理由で、ヒノキが植えられたようです。 土地の所有者は他県にいて、もう30年も間伐もせず手付かずのまま、ヒョロリと育ったヒノキの市場価値はゼロ。 私たちはこの山のヒノキを全伐採し、様々な種類の樹を植え、より自然な森にしていこうとしています。 ヒノキ林はある程度育つと、下に雑草や他の植物が生えず、草刈りの手間が省けるという利点があります。 高齢化が進む近隣では、土地を管理できなくなっても荒地にならないようにと 杉やヒノキを植える人が少なくありません。 だけど、放置されたヒノキ林は植生が単一化し、地盤が弱くなるばかり。 さらに野生動物の住処の減少や花粉増加の原因になります。 ヒノキ植えるならクヌギを!と言いたいところですが、 クヌギは落葉したり、他の植物が育ちやすかったりして手間がかかり、 高齢の方にとっては、やっぱり管理が難しいのでしょう。 やっぱり里山が里山であるためには、自然に寄り添った人の暮らしがあってこそ。 若者に里山暮らしの豊かさを知って欲しいなぁ。暮らしの中に生命を感じるよ。 Our mountain project has started. We will cut slender hinoki trees and re plant more natural variety of trees. ...

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ふるさとの木によるふるさとの森

「ふるさとの木によるふるさとの森」 が再現出来たらいいなと 宇和の山、本来の姿を想像しています 手がかりは宮島でいただいた、 卯之町の30年前の植生図と 大洲や篠山の植生調査表 今、宇和の山は杉、檜に広く広く覆われています。   だけど、昔々は、シイやカシの木が高くそびえその下にサカキやヤブツバキなどが育っていたみたい。もっと標高が高いところにはコナラ。岩場にはアカマツ。 先日、近くの神社や野村ダムにどんぐりを拾いに行ったら、幼い時の記憶が蘇りました。 冬になると猪狩りに出かけた父が拾ってきてくれたシイ(コジイ) の実。 ストーブの上で焼いて食べたものでした。栗みたいに甘くて香ばしくて大好きだった。 森とつながる暮らしの思い出… 今ある杉、檜も価値ある資源。先人たちの労力を無駄にせず、価値を認めて生み出して使おう。 そしてその間伐後にはシイやカシの木を植えて、多様な草木や虫や野生動物もひっくるめた真の豊かさが循環する森が少しでも広がったらいいなぁ。 現状にどう働きかけていけるか、まだまだわからないけれど、 どんぐりから苗木が育つのには2年かかります。そして、どんぐりを拾うなら秋、今! 出来ることからやりましょう。 ...

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