森のこと その3 ドイツの視点、日本の盲点
山(森)のこと その3
ードイツの視点、日本の盲点
ドイツ人といえば、大のハイキングやトレッキング好き。おめぐり庵に宿泊するお客さんも、ドイツ出身といえば森を愛する人ばかりです。
そんなドイツの森ですが、驚くことに、原生林はほとんどありません。 というのも19世紀、ドイツも日本と同じように、国の森のほとんどを広葉樹林から針葉樹林にかえてしまった過去があるらしいのです。
しかしドイツは、これじゃ長続きせん、とアクションをおこしました!1970年代頃から、持続可能な森にするため、より自然に近い環境づくり、広葉樹の植樹を始めたのです。
ドイツ各地の立地条件や風土に合った森づくりには、森林コンサルタントが貢献しています。(実はWWOOFerグレッグはこの森林コンサルタントでした。) 彼らは、土壌や多様な植物や虫や動物がすべてつながりあっているという視点を持って森をみています。自然の反応をじっくり観察しながら手を加えていきます。
こうして、木の成長や生態系の順応に合わせて、もとの自然林に近い森づくりをしているドイツの森には現在、針葉樹もあれば広葉樹もあります。
豊かな森は人々の憩いの場になっています。
それに比べて、日本の多くの杉檜山は放置状態。暗い杉檜林には他の植物は育ちません。単一の植生では、野生動物は生きられません。
日本各地に広がる放置されっ放しの杉檜山は、もとの生き生きした状態に返していくべきだと私たちは思ってます。
グレッグと私たちが驚いたことがあります。
それは、伐採後の植樹に、ドイツは広葉樹だけに補助金を出すのに対し、西予市では杉ヒノキだけにしか補助が出ないという事実です。。。ガーン、なぜまた杉ヒノキ⁉︎
どうか視点を変えて欲しい。視野を広げて欲しい。そしてアクションをおこして欲しい。
山をみるとき、水、土、陽の光、その中で生きるありとあらゆる生命のつながりをみているかどうか。山を大切にすることが、自分や家族や地域を大切にしているということにつながる。それがみえるかどうか。
山だけじゃなく、海も川も畑も田んぼも。
大きなつながりに視点が注がれる時、私たちはもっと豊かになれる。

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